LH0032と言うOPアンプ - フルバランスアンプ (X_Under bar)

        
2019/08/26

LH0032と言うOPアンプ

以前にも触れましたが既に製造中になっているナショナルセミコンダクター製のOPアンプLH0032の話です。
このOPアンプはセラミック基板上に抵抗体(印刷抵抗)やトランジスタのシリコンチップを置き金ワイヤーで配線されている所謂ハイブリッド型のOPアンプです。(前回と同じ文書ですw)

■LH0032
LH0032回路図01
簡単なスペック:帯域幅(70MHz)、スルーレート(500/μs)、直流利得(70dB)
言い方を変えるとディスクリートのOPアンプと同じです。(これも前回と同じ文書です)
このへんで未だに人気があるのでしょうね。

たまたま、古い資料にLH0032の中身を開けて各素子の電圧を測った資料が有りましたので、回路図に書き写してみました。

■LH0032の実測値
LH0032回路図02
この実測した回路図を見て戴くと抵抗値の違いが若干あります。
ネットを検索するとナショセミのLH0032(1994年12月版)とTIのLH0032(1982年1月版)の仕様書が検索できると思います。
※中身はどちらもナショセミです。
1994年版の物は回路図に数値が入っていませんが、1982年版には数値が入っているので比べて見て下さい。

■1982年版の回路図
LH0032回路図03
気になるのは、初段のQ1とQ2のFETの負荷抵抗です。
1982年版の回路図では500Ωですが、実測値では330Ωとなっています。
そこでこれらの数値を使って実際にシミュレーションを行ってみました。

■回路図のシミュレーション(オープンループゲイン)
LH0032シュミレーション04
緑色が負荷500Ωで赤色が負荷330Ω
オープンループゲイン⇒300Ω:75dB、500Ω:76dB
ゲイン差は1dBですが、カットオフ周波数が大分違います。
330Ω:-3dB=180kHz、500Ω:-3dB=361kHz
500Ωの方が良さそうです。

次に初段(1段目)のFETの部分を見てみましょう。
■回路図のシミュレーション(初段のゲイン)
LH0032シュミレーション05
信号はQ2のドレイン- R2出力側をみています。
こちらもゲイン差は約1dBですが、カットオフ周波数が大分違います。
330Ω:-3dB=5.8MHz、500Ω:-3dB=25.3MHz
こちらも500Ωの方が良さそうです。

ここで気が付いた方がおられると思いますが、1段目のゲイン(利得、増幅率)がマイナス(-6.4dB、-7.3dB)で、増幅していなくて減衰しています。
このOPアンプは初段にはゲインが無く2段目でゲインを稼いでいる1段アンプなんでしょうね。
1段目でゲインを抑える(低くするか無くす)とスルーレートが良くなるし、ミラー効果も無くなります。
このスルーレートと帯域幅の良さはこの1段目にあります、それより2段目(Q3、Q4、Q5、Q6)の責任は重大です。

2段目の電流に注目して下さい。
OPアンプでアイドリング電流10mAは流し過ぎですが、ここの電流を流すことで各トランジスタの性能を最大限に引き出しています。
そしてお判りの様に2段目はカスコード接続を使っています。
カスコードでミラー効果をカットです。
終段が1mAと少し寂しいB級動作ですね。
自分としては、終段をもう少し電流を流したいです。
それと2段目の電流を少し抑えても良いかと思います。

このLH0032の問題点は、
1段目のゲインが無い分ノイズに対して不利となります。
OPアンプ全体のノイズは、1段目のノイズ特性と1段目のゲインで決まります。
ローノイズアンプには向かないと思いますが如何でしょうか?
もう一つは、アイドリング電流が多いので熱を持ちます。
全体で約19mAの電流です。

追加実験で、Q1とQ2を高gmのFETに交換してシミュレーションしてみました。
■初段のFETを変更(2SK246⇒2SK117)
LH0032シュミレーション06
シミュレーションに使ったFETは2SK246でしたが、ここを2SK117に変えてみました。
ゲインが-6.4dBから+7.6dBに上がりました。14dBのアップです。
カットオフ周波数:2SK246(-3dB=25.3MHz)、2SK117(-3dB=5.5MHz)
ゲインが上がって分、ミラー効果の影響でしょうかカットオフ周波数がだいぶ悪くなりました。

■FET変更のション(オープンループゲイン)
LH0032シュミレーション07
これだと、ミラー効果も出てくるし、オープンループゲインも上がり位相補償が難しくなりますね。
オープンループゲイン:2SK246(76dB)、2SK117(90dB)
カットオフ周波数:2SK246(-3dB=361kHz)、2SK117(-3dB=133kHz)

機会がありましたら位相補償もシュミレーションしたいと思います。


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コメント

気になっていたアンプのシュミレーションありがとうございます。試しに作って見たくなりました。
暇が有ればLH0033もお願いします。

雪だるまさん、こんばんは、

参考になればと思います。
LH0033ですが 確かバッファーアンプですよね。
時間が有れば挑戦してみます。
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